動物病院スタッフマネジメント&メンタルヘルス専門Assist Human Relations

マニュアル重視より、想像力を育てよう

動物病院人財育成

 

先日、ある動物病院の

飼い主さん対応をみる機会がありました。

 

 

春から2年目に入る動物看護師さんの

受付応対をみているとき、

ちょっと気になったことが・・・

 

 

 

言葉遣いは丁寧ですし、

話し方も優しくわかりやすい。

問診も復唱して内容を確認していました。

 

何が気になったかといいますと・・・

 

 

 

前日から犬の下痢症状がひどくなってきて、

元気がないとおっしゃる飼い主さん。

 

心配そうな様子の飼い主さんに対して、

問診が終わった最後に、

以下のように続きました。

 

 

 

「4月末まで、グルーミングのキャンペーン中です。

爪切りや肛門腺絞りなど、

無料サービスしておりますが、

どうされますか?」と。

 

 

上記のような案内をされた飼い主さんの表情、

どのような様子だったか

想像できますよね。

 

 

とてもいぶかしげなご様子でした。

返事は「今日はいいです」

でした。

 

 

春のこの時期、元気な犬猫を連れてきて、

ワクチンやフィラリア検査などの予防でしたら、

とても喜ばれるご案内だと思います。

 

 

しかし、病気で来院している場合の

飼い主さんにとっては、

どうでしょうか?

 

 

グルーミングよりも何よりも

少しでも早く症状を治してほしいという方が

多いと思います。

 

 

ご案内をする状況としては、

飼い主さんの気持ちへの想像力が足りず、

残念な応対でした。

 

 

その動物看護師さんには、

飼い主さんの表情の変化に

気づいていたかどうかを

あとから訊ねてみました。

 

 

案内することに集中していて、

飼い主さんの表情は

全く目に入っていなかったようです。

 

 

 

病気の子に案内するのはどうかなぁと

感じたようですが、

「案内を徹底するように」

とミーティングで決まり、

案内マニュアルを優先したようです。

 

 

 

マニュアルは、とても大切です。

 

全体のレベル統一を図るための、

指針になるからです。

 

 

 

しかし、

人を相手にする場合、

ちょっとした想像力や観察力が求められます。

 

 

 

状況に応じて、

柔軟に対応を変える必要もあります。

でも、この点をおしえるのが、

じつはとても難しいですよね^^

 

 

今回のような場合、

予想できる「例外」を、

新人スタッフには事前に伝えておく必要があります。

 

 

 

「言わなくてもわかるだろう」

「想像すればできるだろう」

 

と思いこむことは危険ですし、

一概に責められません。

 

 

なぜならこのスタッフは、

「決まったことを徹底する」

といった点は守っているからです。

 

 

 

経験者だからこそ、

起こりうることは、

事前に想像して伝えておきましょう。

 

 

そこまで考えて育成していくことが、

リーダーには求められると思います。

 

 

 

下のスタッフができていないことは、

上の責任。

このマインドを徹底していきたいですね。